発達障害で障害年金を考えるときに整理したい生活上の困りごと

発達障害で障害年金を考えるとき、「診断名があるかどうか」だけに目が向きがちです。

しかし、障害年金では、診断名だけで結果が決まるわけではありません。

発達障害によって、日常生活、対人関係、金銭管理、予定管理、就労継続などにどのような支障が出ているのかを整理することが大切です。

特に、発達障害の場合は、診察室では落ち着いて話せていても、家庭、学校、職場、地域生活の中では大きな困りごとがある場合があります。

この記事では、発達障害で障害年金を考えるときに、申請前に整理しておきたい生活上の困りごとについて説明します。


目次

発達障害では「生活のしづらさ」を整理することが大切です

発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、限局性学習症など、さまざまな状態があります。

困りごとの現れ方も人によって異なります。

たとえば、会話はできていても、相手の意図を読み取ることが難しい方もいます。学校や職場に通えていても、強い疲労や不安で帰宅後に動けなくなる方もいます。知的な遅れが目立たなくても、予定管理、金銭管理、対人関係、手続きなどに大きな支援が必要な方もいます。

そのため、「発達障害の診断がある」という事実だけではなく、実際の生活でどのような支援が必要かを整理する必要があります。


整理したいこと1 金銭管理の困りごと

発達障害では、金銭管理に困りごとが出ることがあります。

たとえば、次のような点を確認します。

・収入と支出を自分で把握できるか
・必要な支払いを忘れずにできるか
・衝動的な買い物があるか
・計画的にお金を使えるか
・公共料金、携帯料金、税金などの管理ができるか
・家族が通帳や財布を管理しているか
・お金が足りなくなったときに家族が補っているか

大切なのは、「お金を使えるか」ではなく、生活を維持できる形で管理できているかです。

本人が何とか生活しているように見えても、実際には家族が支払いを代行していたり、使いすぎを防ぐために管理していたりする場合があります。


整理したいこと2 予定管理・時間管理の困りごと

予定管理や時間管理も、発達障害で整理しておきたい重要な項目です。

たとえば、次のような場面です。

・通院日や予定を忘れてしまう
・遅刻が多い
・出発準備に時間がかかる
・複数の予定を同時に管理できない
・急な予定変更に強く混乱する
・スマートフォンの予定表を使っても管理が難しい
・家族が声かけや確認をしている

診察室では「通院できている」と見える場合でも、実際には家族が予約を管理し、前日に声をかけ、当日の出発準備まで支えていることがあります。

その場合は、「通院できている」という結果だけでなく、そこに必要な支援を整理することが大切です。


整理したいこと3 対人関係・コミュニケーションの困りごと

発達障害では、対人関係やコミュニケーションに困難が出ることがあります。

確認したい内容は、たとえば次のようなものです。

・相手の表情や雰囲気を読み取ることが難しい
・言葉を文字どおりに受け取りやすい
・相手との距離感が分かりにくい
・会話が一方的になりやすい
・注意や指摘を受けると強く落ち込む
・職場や学校で誤解されやすい
・対人関係の疲労が強い
・人間関係のトラブルが続いている

「会話ができる」ことと、「対人関係を安定して維持できる」ことは同じではありません。

発達障害で障害年金を考える場合は、会話の可否だけでなく、対人関係を継続するうえでどのような困難があるのかを整理することが大切です。


整理したいこと4 就労継続の困りごと

働いている場合でも、障害年金の対象にならないと単純に決まるわけではありません。

ただし、就労している場合には、どのような働き方をしているのか、どのような配慮を受けているのかを丁寧に整理する必要があります。

確認したい内容は、たとえば次のようなものです。

・勤務時間や勤務日数
・欠勤、遅刻、早退の頻度
・業務内容の制限
・職場で受けている配慮
・上司や同僚による声かけ、確認、フォロー
・ミスやトラブルの内容
・仕事後の疲労や体調悪化
・短期間で離職を繰り返していないか
・一般就労、障害者雇用、就労継続支援などの利用状況

「働けている」という一言だけでは、実際の困難は伝わりにくいです。

働いていても、支援や配慮がなければ継続が難しいのか、業務内容が大きく制限されているのか、帰宅後の生活が崩れているのかなどを整理する必要があります。


整理したいこと5 家事・身のまわりの困りごと

発達障害では、日常生活の段取りや継続に困難が出ることがあります。

たとえば、次のような内容です。

・部屋の片づけができない
・洗濯物をため込んでしまう
・食事が偏りやすい
・入浴や歯みがきが不安定になる
・服装や身だしなみを整えることが難しい
・郵便物や書類を整理できない
・必要な手続きを後回しにしてしまう
・家族が家事や手続きを代行している

本人が「できる」と話していても、実際には非常に時間がかかっていたり、家族の声かけがないと続かなかったりすることがあります。

そのため、できるかできないかだけでなく、どの程度の支援があればできるのかを確認します。


整理したいこと6 感覚過敏や疲労の影響

発達障害では、音、光、におい、人混み、衣服の感触などが強い負担になることがあります。

また、外出や対人場面のあとに強い疲労が出ることもあります。

確認したい内容は、たとえば次のようなものです。

・人混みや騒音で体調を崩しやすい
・特定の音や光で強い苦痛がある
・外出後に寝込むことがある
・学校や職場から帰宅すると生活が崩れる
・感覚過敏のために行ける場所が限られる
・予定が続くと強い疲労が出る

感覚過敏や疲労は、外から見えにくい困りごとです。

そのため、どのような場面で負担が強くなるのか、その後の生活にどのような影響が出るのかを具体的に整理することが大切です。


整理したいこと7 家族の支援量

発達障害で障害年金を考えるとき、家族の支援量を整理することはとても重要です。

本人が生活できているように見えても、実際には家族が多くの支援をしている場合があります。

たとえば、次のような支援です。

・予定を確認する
・通院に付き添う
・服薬を確認する
・金銭管理をする
・書類や手続きを代行する
・家事を補う
・感情が崩れたときに対応する
・職場や学校との連絡を支える

家族の支援があることで生活が成り立っている場合、その支援の内容を言語化することが大切です。

「家族が見守っている」だけではなく、何を、どの頻度で、どの程度支えているのかを整理すると、生活の実態が伝わりやすくなります。


心理検査は生活状況を整理する補助資料です

発達障害で障害年金を考える場合、必要に応じて心理検査が生活状況の整理に役立つことがあります。

たとえば、WAIS-IVでは認知機能の得意・不得意の偏りを整理できる場合があります。Vineland-IIでは、コミュニケーション、日常生活スキル、社会性などの適応行動を把握する手がかりになる場合があります。

ただし、心理検査を受ければ障害年金が認定されやすくなる、というものではありません。

心理検査は、あくまで生活上の困りごとを整理するための補助資料です。主治医の診断書作成の参考資料や、病歴・就労状況等申立書を作成する際の整理材料として活用できる場合があります。

未来のいえでは、主治医の許可が得られ、かつ有用と判断した場合に限り、心理検査を実施します。


申請前に整理しておきたい資料

発達障害で障害年金を考える場合、次のような資料があると経過や生活状況を整理しやすくなります。

・診断書や検査結果
・心理検査の結果
・母子手帳
・学校の成績表や通知表
・支援級、通級、特別支援学校などの記録
・療育や相談支援の記録
・障害者手帳に関する資料
・就労移行支援、就労継続支援などの利用記録
・職場での配慮内容が分かる資料
・家族が記録している生活上の困りごと

すべての資料が必要というわけではありません。

まずは手元にある資料を確認し、いつ頃から、どのような困りごとがあり、どのような支援を受けてきたのかを整理していくことが大切です。


未来のいえでお手伝いできること

社会保険労務士事務所 未来のいえでは、発達障害で障害年金を考えている方に対して、生活状況の整理、診断書作成依頼の準備、病歴・就労状況等申立書の作成支援を行っています。

未来のいえでは、診断名だけではなく、金銭管理、予定管理、対人関係、就労継続、家族の支援量など、生活上の困りごとを丁寧に整理します。

また、必要に応じて、WAIS-IVやVineland-IIなどの心理検査を通じて、生活状況を整理する補助資料を作成することもあります。

未来のいえでは、年金事務所への提出代行ではなく、ご本人やご家族が申請を進められるように、書類作成と手続きの整理を支援しています。

発達障害で障害年金を考えている方、何から整理すればよいか分からない方は、無料面談にてご相談ください。


障害年金申請書類作成支援については、以下のページをご確認ください。
障害年金申請書類作成支援ページ

心理検査については、以下のページをご確認ください。
心理検査ページ

発達障害で障害年金を考えている方は、以下よりお問い合わせください。
お問い合わせページ

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